[サンパウロ/リオデジャネイロ 11日 ロイター] - 南米で新型コロナウイルスの感染拡大の中心地となっているブラジルで、2大都市での大型商業施設の営業が11日に再開された。大勢の買い物客が詰めかけ、数時間にわたって列をなした。
サンパウロ市では83日間におよぶロックダウン(都市封鎖)が明けたとあって、商業施設の付近では歩行者で混雑する道路で車が渋滞する場面もみられた。
ただ、店内では社会的距離の維持が順守されているほか、大半の買い物客がマスクを着用していた。
ブラジル・ショッピングセンター協会(Abrasce)によると、ロックダウンにより国内の大型商業施設577カ所が被った損失は計250億レアル(50億ドル)に上る。
リオデジャネイロ市では、店舗の営業再開は計画よりも1週間前倒しで認可された。保健当局は時期尚早との認識を示していたが、早期再開を求める企業からの圧力が勝る格好となった。
このほか、首都ブラジリアのカトリック大聖堂では、出席者を3分の1に削減した上で、「聖体の祝日」を祝うミサが開催された。
リオデジャネイロとサンパウロの大型商業施設では、マスク着用と検温を求めるほか、店舗の収容人員を20%にとどめ、アルコール消毒液を設置するなどの対策を実施している。一方、施設内の映画館は閉鎖が続き、フードコートも持ち帰りか宅配のみの営業となっている。
国内で19カ所・5800店舗の大型商業施設を運営するムルチプラン (SA:MULT3)の幹部は「衛生と社会的距離に関するルールには厳格に従わなくてはならない。パンデミック(世界的な大流行)は終息しておらず、全ての買い物客にはそれを認識してもらう必要がある」と述べた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200612T001832+0000