[27日 ロイター] - 米東部の名門プリンストン大は、公共政策・国際関係学の学部などの名称から、元総長で第28代米大統領のウッドロー・ウィルソン氏の名前を外すと発表した。同氏の人種差別的思想と政策が「名前の由来として適切ではない」と判断した。
同大のクリストファー・アイスグルーバー総長は27日の発表で、今回の決断はミネソタ州のジョージ・フロイドさんら黒人男性が警察官の暴行を受け死亡した一連の事件を受けたものだと説明した。
フロイドさんらの死を契機に、米国の内外で人種的不正義に抗議する抗議デモが拡大しており、同大理事会は26日、ウィルソン氏の名前を冠した公共政策・国際関係学の学部名と学寮の名称変更を多数決で決定した。
同大は2016年、学生の抗議を受けて名称変更を検討したものの、最終的に元大統領の名前を維持する決定を下した経緯がある。
アイスグルーバー氏は、ウィルソン氏が連邦政府の採用で人種隔離の立場を取ったことを引き合いに「(ウィルソン氏の)人種差別主義は、当時の水準からみても深刻で重大なものだった」と指摘した。
公共政策・国際関係学の学部名は「プリンストン・スクール・オブ・パブリック・アンド・インターナショナル・アフェアーズ」に変更になる。学寮の名称は「ファースト・カレッジ」となる。