[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は7日、定例理事会を開き、オフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.25%に据え置いた。
また、必要な場合さらなる緩和の用意があるとの認識をあらためて示した。
ロイター調査ではアナリスト23人全員が金利据え置きを予想していた。金利変更は2021年末までないとみられている。
中銀は「必要とされる限り」緩和的なアプローチを維持すると表明。新型コロナウイルスの流行で停滞していた経済活動が予想より早く再開したことについて、慎重ながらも楽観的な見方を示した。
中銀のロウ総裁は声明で、国内経済が1930年代以来最大の落ち込みに見舞われていると指摘。
「しかし、最近になって状況は安定してきており、景気低迷は以前の予想ほど深刻ではなくなっている」とし「国内の総労働時間は5月も減少したが、減少幅は4月よりもかなり小さく、事前予想よりも小さかった。また、国内のほとんどの地域で感染の減少や規制の緩和を受 けて、個人消費にも持ち直しの動きが見られた」との見解を示した。
ただ、同国のビクトリア州のダニエル・アンドルーズ首相は6日、州内の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ニューサウスウェールズ(NSW)州との州境を7日から閉鎖すると発表した。[nL4N2ED109]
中銀は、最近の感染拡大については声明で言及せず、景気回復の内容やスピードは依然として「不透明感が高い」との認識を改めて示すにとどめた。
中銀は「今後もしばらくの間は、財政・金融支援が必要になると思われる」と主張。
「この緩和的なアプローチは必要とされる限り維持する。完全雇用に向けて進展があり、インフレ率が2─3%の目標値の範囲内で持続的に推移すると確信するまでは、キャッシュ・レートの目標値を引き上げない」と表明した。
豪政府は7月23日に発表する「ミニ予算声明」で財政刺激策を打ち出す予定。
グラント・サミュエル・ファンズ・マネジメントの投資ストラテジスト、スティーブン・ミラー氏は、中銀がこの財政刺激策に注目すると予想。「総裁が政府に対し、現在の支援規模を維持するか、最低でも支援措置の廃止を段階的なものにとどめるよう、個人的に求めているとしても驚きではない」と述べた。
*内容を追加しました。