[サンティアゴ 14日 ロイター] - 米俳優メル・ギブソンがチリの零細ハチミツ販売業者に肖像権の侵害を指摘する書簡を送付したことが話題となっている。
首都サンティアゴで6月からハチミツの販売を始めたヨハンナ・アグルトさん。新型コロナウイルスの感染拡大で職を失い、家族を養うのがやっとの収入をここから得ていた。
スペイン語でハチミツは「ミエル」。「メル」に似ていることから、ヨハンナさんは1995年の映画「ブレイブハート」から取ったメル・ギブソンの肖像をハチミツのラベルに使用し、「ミエル・ギブソン」の名称で販売していた。
先週、ヨハンナさんはメル・ギブソンの弁護士から、これが肖像権の侵害に当たるとする書簡を受け取った。商品を即座に回収しなければ法的措置も辞さない構えという。
弁護士は、書簡を送ったのはギブソンの写真の無断使用を防ぐためのもので、ハチミツの名称使用を禁じるものではないとしている。
この書簡を国内メディアに公開したところ、ヨハンナさんのソーシャルメディアのフォロワー数が激増。ヨハンナさんは書簡を受け取った当初、仕事用のメールアカウントを削除するほど脅えていたが、13日にはツイッターで直接、メル・ギブソンに肖像の使用許可を呼びかけた。
メル・ギブソンの広報担当者からのコメントは得られていない。