[シャーロット(米ノースカロライナ州) 24日 ロイター] - 11月の米大統領選に向けた共和党の全国大会が24日、ノースカロライナ州シャーロットで開幕し、再選を目指すトランプ大統領が同党候補に正式に指名された。トランプ氏はこの日の演説で、証拠を示さず大統領選は「不正」に直面する可能性があると警告。郵便投票で選挙不正が拡大する恐れがあるとの考えを改めて示した。トランプ大統領は事前の予告なしに会場に姿を表し、「われわれはこの選挙で勝利する」と宣言。さらに「民主党が勝てるとすれば、不正選挙を通じてのみだ。われわれは勝利する」と述べた。また、新型コロナウイルス感染拡大を受け各州が導入したロックダウン(都市封鎖)などの措置について、大統領選の投票状況に影響を及ぼすための試みだったと指摘。「新型ウイルス感染症(COVID-19)を利用して、全ての米国民から公正で自由な選挙を奪おうとしている」と述べた。共和党の全国大会は4日間の日程で、オンライン形式と観客を入れたイベントを交えて開催される。トランプ大統領の大統領候補指名受諾演説は最終日に予定されているが、毎日何らかの演説を行う見通し。ペンス副大統領は冒頭演説で「この選挙での選択肢は極めて明白で、間違えば損害は計り知れない」と強調した。先週行われた民主党大会は、新型ウイルス感染抑制に向け、ほぼ全てがオンライン形式で実施された。共和党大会は当初の予定から規模は縮小されたものの、民主党とは対象的に、観客を入れたイベントで行われる部分もある。また、民主党大会には同党の大統領経験者3人全員のほか、過去の大統領候補者らが登場したが、共和党大会は不参加。ジョージ・W・ブッシュ前大統領のほか、2012年の大統領選の共和党指名候補だったミット・ロムニー上院議員は登場しない。トランプ氏は74歳。先週の民主党全国大会で大統領候補に指名されたバイデン前副大統領は77歳。世論調査ではバイデン氏がリードしている。共和党によると、全国大会では「法と秩序」、銃所持の権利、減税、「忘れ去られた」米国民に焦点が当てられるという。初日は上院で唯一のアフリカ系共和党議員であるティム・スコット議員や、ニッキー・ヘイリー前国連大使らが演説する。また、人種差別に反対するデモの参加者に銃を向けたマクロスキー夫妻など、トランプ氏の支持拡大を狙ったとみられるスピーカーらの登壇が予定されている。同夫妻は、バイデン氏が「誠実な市民から犯罪者」を守ろうとし、国民を危険にさらしていると批判する見通し。トランプ大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏もこの日、演説を行う予定。医療専門家や自営業者も登壇し、トランプ氏のコロナ対応が人命や人々の生活を救ったと称賛する見通しだ。国連大使を務めたニッキー・ヘイリー氏は演説で、トランプ氏が世界のステージで「米国のために立ち上がった」と強調する。共和党はこれまでの慣例だった政策公約を詳細に記した文書の採決は行わず、トランプ氏の現行政策を支持すると表明。トランプ氏の選対陣営が公表した公約の骨格には、10カ月間で1000万人の雇用を創出するとの目標が含まれた。大会会場近くでは前夜にデモが行われ、参加者は警察当局と3夜連続で衝突、警察側は催涙スプレーを使用しデモ隊の排除を試みた。
*内容を追加しました。
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