[デトロイト 30日 ロイター] - 米民主党の大統領候補に指名されたバイデン前副大統領は30日、オレゴン州ポートランドで起きている暴力は容認できないとした上で、トランプ大統領が暴力を「無鉄砲にあおっている」と非難した。
米国では、5月にミネソタ州で黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官に首を圧迫されて死亡した事件以降、人種差別や警察の暴力に抗議するデモが拡大。
ポートランドでは約3カ月にわたり連夜デモが行われており、29日には、デモ参加者と対抗するグループとの衝突で男性1人が銃で撃たれて死亡した。
バイデン氏は声明を発表し、「左派、右派を問わず、あらゆる暴力を非難する。トランプ氏もそうすべきだ」と表明。「国民同士が敵対する国になってはならない」と訴えた。
その上で「トランプ氏は米国社会において憎しみと分断をあおり、自らの支持者を駆り立てるために恐怖の政治に訴えることを続ければ、何が起きると思っているのか。彼は無鉄砲に暴力をあおっている」と批判した。
トランプ陣営のシニアアドバイザー、ジェーソン・ミラー氏はツイッターで、バイデン氏は「何カ月にもわたり傍観し、民主党が率いる都市での暴力や混乱を非難することを拒否してきた」と反論した。
トランプ大統領は今回の選挙戦で、自身の支持者を意識して「法と秩序」を強く打ち出している。
バイデン氏の陣営によると、同氏は31日にペンシルベニア州南西部を訪問し、都市の混乱やパンデミック、経済の混乱など、トランプ政権下で米国民が直面する安全面の課題について演説する。
トランプ氏は黒人男性が警官に銃撃されデモが続いている中西部ウィスコンシン州ケノーシャを9月1日に訪問する。