[ロンドン 1日 ロイター] - ロイターの調査によると、石油輸出国機構(OPEC)の原油生産量は8月に日量約100万バレル増え、2カ月連続の増加となった。新型コロナウイルス危機から世界経済と石油需要が回復する中で、OPECなど産油国は減産を緩和している。
13カ国で構成するOPECは8月に日量で平均2427万バレルを生産し、前月から95万バレル増えた。6月は約30年ぶりの低水準だった。
新型コロナ流行によるロックダウン(都市封鎖)の緩和や主要産油国でつくる「OPECプラス」の減産を受け、原油価格は4月に付けた21年ぶり安値から1バレル=46ドルに回復。ただ、新型コロナ第2波の懸念が価格の重しになっている。
OPEC加盟国の8月の減産順守率は99%に上り、7月は95%だった。
8月に最も増産したのはサウジアラビアで、前月比日量60万バレル増の900万バレルで、新たに設定した割当枠に近づいている。
次に増産規模が大きかったのはアラブ首長国連邦(UAE)で、割当枠を超えて生産した。クウェートの増産も目立った。
一方、過去数カ月間にわたりOPECプラスの減産合意を順守できていなかったイラクとナイジェリアは、ともに生産を縮小。イラクはここ数年で減産順守率が最高となった。