[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米連邦控訴裁と連邦地裁の3人の裁判官からなる判事団は10日、トランプ大統領が下院の議席配分と選挙区割りで不法移民の人口を除外するよう命じたことは法的権限を越えており、違法との判断を示した。
7月21日付のトランプ大統領の命令に対して提訴した38の州・地方政府ならびに移民の権利擁護団体の勝訴となった。[nL3N2EV3NQ][nL3N2ES40G]
判事団の決定は最高裁に上訴することが可能。
ニューヨーク州当局が率いる原告側は、トランプ氏の命令は違憲で、ヒスパニック系などの移民に対する「差別的な憎悪」を反映しており、「外国人嫌い」に基づく目的があると主張していた。
原告団は、同命令によって数百万人の人々が議席配分で使われる人口から除外され、下院の複数の議席が再配分される可能性があると指摘。カリフォルニア、テキサス、ニュージャージーの議席数が減らされる可能性が高いとした。
判事団は、連邦法では国勢調査で集計される人口と選挙区割りで使われる人口は同一であるべきと規定しており、不法移民は米国に居住する限り、「特定の州の『人口』に数えられる資格がある」との判断を示した。
「大統領は、議会が認めた権限に沿って、その範囲内で行動する必要がある」と指摘。「大統領はそのように行動しなかったとわれわれは結論付けた」とした。
ホワイトハウスと国勢調査を管轄する商務省はコメントの求めに応じていない。
政府側の弁護団は、トランプ氏は人口に誰を入れるべきかの決定で広範な裁量があると主張。いかなる悪影響も起きる可能性は低いとしていた。
判事団は巡回裁判所の判事2人とニューヨーク南部地区連邦地裁判事で構成された。
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