[ウェリントン 17日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)統計局が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は、新型コロナウイルス対策で企業の活動が制限される中、季節調整済み前期比12.2%減と、過去最大の落ち込みとなった。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は12.8%減だった。
前年比では12.4%減少した。
NZ準備銀行(中央銀行)は8月、前期比および前年比のGDPが14%縮小するとの見通しを示していた。
第1・四半期のGDPは1.6%減だった。2四半期連続のマイナス成長となったことから国内経済は2010年以降で最悪の景気後退(リセッション)局面に入った。
一方、NZほど厳格なロックダウン(都市封鎖)を導入しなかったオーストラリアの第2・四半期成長率はマイナス7.0%、米国はマイナス9.1%。
ただ、他国が依然新型コロナ対策に追われる中、NZでは早期の景気回復が期待できるとエコノミストは指摘する。
ウエストパックのシニアエコノミスト、マイケル・ゴードン氏は「GDPは第2・四半期に記録的な落ち込みとなったが、第3・四半期には記録的な伸びになる」との見通しを示した。
アーダーン首相は、国内の新型コロナ封じ込め成功が景気回復を後押しするとの見方を示している。
ニュージーランド財務省は16日、短期的な経済見通しを上方修正した。新型コロナの感染拡大を抑制するためのロックダウンによる影響からの回復ペース加速を見込む。
エコノミストは、GDP統計の結果は中銀の政策にほとんど影響を与えないとみている。中銀は9月23日の政策会合で金利を過去最低の0.25%に据え置くと予想されている。