[17日 ロイター] - 米ワシントン州の連邦地裁は17日、米郵政公社(USPS)の業務変更を阻止するために複数州が起こした訴訟で、変更は「政治的動機に基づく攻撃」で、郵便配達の遅延を既に招いており、11月の米大統領選の郵便投票の遅配につながる可能性が高いとし、仮差し止め命令を出す判断を示した。
訴訟はワシントン州を中心に14州が、トランプ大統領、USPSのデジョイ総裁、USPSを相手取り提起。7月に導入された、郵便の仕分け・配達で時間外業務を減らすなどのコスト削減策について、差し止めを求めていた。
USPSの広報担当はコメントを控えた。
14州はまた、郵便投票を全て、配達の優先度が高い第1種郵便として扱うことや、撤去された仕分け機の代替機の設置を要求。さらに、USPSに対し、デジョイ総裁が確約した、郵便サービスに関する全ての変更や改革を11月の大統領選が終了するまで凍結する方針に従うよう求めた。
デジョイ総裁は8月、コスト削減のための変更の多くを大統領選が終了するまで凍結すると表明。野党民主党は、デジョイ氏が自らの影響力を使って大統領選でトランプ氏を有利にしようとしていると批判していた。デジョイ氏はこのような見方を否定している。[nL4N2FK3H3]
新型コロナウイルス流行で11月の選挙では郵便投票が急増すると見込まれている。
同地裁の判事は約2時間半におよんだ弁論後、「USPSの効率性に対する政治的動機に基づく攻撃に被告らが関与」し、この「攻撃が州による2020年総選挙の運営に取り返しがつかないほどの害を及ぼす」ことが原告によって示されたとの見解を示した。
原告にはワシントン州以外にコロラド、コネティカット、イリノイなどの州が含まれた。同様の訴訟はペンシルベニア、ニューヨーク両州でも係争中となっている。