[ワシントン 18日 ロイター] - 米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は18日、アフリカ系住民に対する差別的な慣習などでマイノリティー(少数者)による富の蓄積が阻まれているとし、こうした長年にわたる問題への対処法を深く検証する必要があるとの考えを示した。
ボスティック氏は12地区連銀の総裁としては初めてのアフリカ系米国人。これまでも経済格差を巡り活発に発言してきた。この日はアトランタ地区連銀とプリンストン大学が共同で開催した人種間の平等と財政に関するオンライン会議で、差別的な慣習は法律で禁止されているにもかかわらず、現在でも平均的な白人系の家計が黒人系の家計の10倍の資産を保有するなど、「事態は少しずつしか進展していない」と指摘。「こうした構図は100年前からほとんど変わっていない」と述べた。
その上で、一段と根源的な動きが必要とし、人種問題をモデルに組み込み、有意で長期的な変革を起こすために、研究者や政策担当者に対し詳細な検証を実施するよう呼び掛けた。
具体的な政策は提言しなかったものの、社会保障制度の問題点のほか、黒人を白人が多い居住区域から排除するような慣習などについて指摘。人種間の富の蓄積の差につながっているとの認識を示した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200918T175409+0000