[ロンドン 29日 ロイター] - 世界石油商社大手の幹部は29日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響により、今後数カ月間または数年間は、石油需要の回復は鈍く、原油価格も横ばいで推移するとの見方を示した。石油需要のピークは、10年後にしか見られないと述べた。
スイス石油商社のビトル、グンボール、マーキュリア各社の最高経営責任者(CEO)は、英経済紙フィナンシャル・タイムズ主催の「コモディティーズ・グローバル・サミット」年次総会で、再生可能エネルギーへの投資を増やす意向を示した。
世界最大の石油商社・ビトルのハーディーCEOは石油消費について、来年夏までほぼ横ばいになるとした。
その上で「石油市場は依然として脆弱(ぜいじゃく)だ。恐らく、石油需要は来年夏まで、大幅に回復しないと認識している。人々の生活は、冬まで実質的に変わらないためだ。新型コロナの感染が依然として拡大しているため、大々的に旅行し始めない」との見解を示した。
マーキュリアのCEOで共同創立者のマルコ・デュナンド氏は、より悲観的な見方を示し、石油消費は今後数年、新型コロナ以前の水準には戻らないとしている。
また、原油価格は今後6カ月、1バレル=45ドルでほぼ横ばいを維持すると予想した。
グンボールのトーングビストCEOは、原油価格は2021年半ばまで、40ドル台半ばから後半で変動するとの見方を示した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20200930T001614+0000