[ロサンゼルス 1日 ロイター] - 米国家安全保障を担った共和党の元高官ら56人が1日、トランプ大統領の再選に反対する団体に加わり、民主党の大統領候補バイデン前副大統領を支持すると表明する。
加わった「バイデンのための元共和党国家安全保障当局者」という団体は8月に70人のメンバーで発足。このたび支持者が加わることでメンバーは130人近くに上る。メンバーはトランプ政権で務めた7人を含め、トランプ氏との関係を断ち切っている。
そのほかロナルド・レーガン氏とジョージ・H・W・ブッシュ氏、ジョージ・W・ブッシュ氏の歴代の共和党大統領の政権で防衛や国家安全の職務を務めた高官もいる。今回、ブラウワー元米連邦捜査局(FBI)長官補佐やファイファー元米中央情報局(CIA)幹部、マンソン元国家情報副長官らが名を連ねた。
関係筋によると団体は1日より、11月3日の大統領選で激戦州となる7州(ペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州、フロリダ州、アリゾナ州、ノースカロライナ州、テキサス州)で新聞の全面広告を出す。
トランプ氏が視聴することで知られているフォックステレビの情報番組「フォックス・アンド・フレンズ」では、米国家テロ対策センターのライター元長官が、トランプ氏について事実を無視したり情報当局者を批判したりするほか、米国の同盟国を侮辱したことで米国が以前ほど安全でなくなったと指摘する広告を流す。
トランプ陣営はバイデン氏を支持する共和党団体について、不満を抱く元職員が「正式に選ばれた米国の大統領をおとしめようとしている」と述べている。
トランプ氏に反対する複数の共和党団体は共同で、トランプ氏の同盟国との不和のほか、新型コロナウイルス危機の舵取り、人種差別の全国デモや黒人に対する警察の暴力に関するトランプ氏の対応を含む国内の指導力について、異議をとなえている。