[ワシントン 7日 ロイター] - オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は7日、中国に対し武力による台湾の併合を目指さないよう警告、上陸作戦は困難で、米国が武力行使にどう反応するかも「曖昧」だとの認識を示した。
ネバダ大学でのイベントで述べた。
同補佐官は、中国が海軍の大規模な増強を進めていると指摘。第1次世界大戦前にドイツが英海軍に対抗するために進めた増強以来、最大の規模ではないかとの見方を示した。
同補佐官は「われわれを西太平洋から追い出し、台湾への上陸作戦を可能にすることが目的の1つだ」と発言。「ただ、上陸作戦は難しいことでよく知られている」とし、中国と台湾は160キロメートル離れており、上陸できる海岸も少ないと指摘した。
同補佐官は、中国が台湾併合に動いた場合、米国はどう対処するかとの質問に「簡単な任務ではない。また、中国が台湾を攻撃した場合、米国がどう反応するか非常に曖昧だという点もある」と述べた。
米政府は、中国の台湾侵攻への対応を明確にしない「戦略的曖昧さ」と呼ばれる政策を以前からとっている。
同補佐官は、台湾に対し防衛費を増やし、軍の改革を進めるべきだとも発言。「台湾の防衛費は域内総生産(GDP)の1.2%だ。中国は70年の歴史で最大の軍事増強を進めている。GDPの1%で、中国を抑止できると期待しては駄目だ」と述べた。
同補佐官は「(台湾は)ヤマアラシになるべきだ。ライオンは普通、ヤマアラシを食べない」とも発言した。
米国防総省のデビッド・ヘルビー国防次官補代行(東アジア担当)も6日、台湾が防衛費を14億米ドル拡大しようとする計画は正しい方向へのステップだと評価しつつ、中国の脅威が高まる中で強靭(きょうじん)な防衛を確固たるものにするには不十分だと発言している。