[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が発表した8月の輸出は、季節調整済みで前月比2.4%増と、4カ月連続の増加となった。第3・四半期のドイツ経済が力強く拡大したとの見方が強まっている。
ロイターがまとめた市場予想の1.4%増を上回った。7月は4.7%増だった。
8月の輸入は前月比5.8%増。7月は1.1%増。市場予想は1.4%増だった。
8月の貿易黒字は157億ユーロ(185億ドル)。市場予想は182億ユーロだった。
VPバンクのエコノミスト、トマス・ギツェル氏は「ここ数カ月は輸出型経済でやすやすと低い位置にぶら下がっている果実をもぎ取っている。最悪期は過ぎたが、ドイツ経済が短期的な悪化に見舞われないということではない」とし、今後数カ月は状況が厳しさが増すとの見方を示した。
連邦統計庁によると、8月の中国への輸出は前年比で1.1%の減少にとどまったが、「新型コロナ流行で特に打撃を受けている米国への輸出は21.1%減少した」。英国への輸出は7.3%減。
ドイツ経済は、第2・四半期に9.7%のマイナス成長となったが、第3・四半期はロックダウン(都市封鎖)の緩和や前例のない景気対策を背景に経済が急回復している。
ただ、新型コロナの感染が再び拡大しており、経済成長が鈍化するのではないかとの懸念が浮上している。
アルトマイヤー経済相は5日、新型コロナウイルス感染再拡大を受け、産業活動が再び停止することがあってはならないと発言。[nL4N2GW32P]
IFO経済研究所は第3・四半期の国内総生産(GDP)が6.6%拡大し、第4・四半期は伸び率が2.8%へ減速する公算が大きいと予想している。[nL3N2GL2FI]