[ムンバイ 9日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は9日、政策金利を予想通り据え置いた。新型コロナウイルス流行の打撃を受けた景気を下支えするため、緩和的なスタンスは維持した。
主要貸出金利のレポレート
ダス総裁は、金融政策委員会後に開いたウェブ会見で、中銀は今年度(2021年3月まで)の実質国内総生産(GDP)成長率がマイナス9.5%になると見込み、四半期ベースでは1─3月にようやくプラス成長に転じるとみていると説明。
コロナ感染第2波のリスクを除外すれば、インド経済は回復期に入るとみられると述べた。穀物生産が過去最高になるとの見通しや、工場と都市の活動再開を理由に挙げ、「大きな困難にもかかわらず、われわれは努力し、復興を果たす」と述べた。
総裁はコロナ禍からの回復は金融政策上の最優先課題とし「一段の成長支援に向けたのりしろを温存するため、インフレ圧力の低下を待つべく現状維持を決定した」と述べた。
キャピタル・エコノミクスのエコノミストは、インフレ持続が据え置きの主因と指摘。中銀の見通しに沿ってインフレは今後数カ月で鈍化するとし、「いずれ0.5%ポイントの利下げ余地が生じると考えている。これは金融市場に現在織り込んでいる見方よりもハト派的だ」と述べた。
BNPパリバのインド調査担当責任者は、「中銀はコロナとの闘いは長期化するとみており、金融政策の発動は選別的に行いながら感染第2・第3波への対応余力を残す構えだ」との見方を示した。
ダス総裁は、感染拡大は深刻なリスクだが、工場や各都市は徐々に通常に戻っており、消費者も一段と前向きになっていると指摘。地方経済は底堅く、モンスーン期後の状況は良好で穀物生産は過去最高となる見通しだと語った。
その上で、「国内のムードは恐怖と絶望から自信と希望にシフトした」としたが、一方で迅速なV字回復ではなく、農業関連などが最初に回復した後に他のセクターが続く段階的なものとなる、と述べた。
金融政策委は当初、9月29-10月1日に予定されていたが、政府が先月に任期切れとなった外部委員3人の後任を任命していなかったため、延期された。[nL4N2GP2F0]
中銀の決定を受けて、インド株 (NSEI) (BSESN)は0.25%上昇し、10年国債利回り (IN10YT=RR)は7ベーシスポイント(bp)低下した。ルピーは対ドルで73.10ルピー。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201009T082155+0000