[ワシントン/北京 13日 ロイター] - トランプ米政権はこのほど、3種類の新鋭兵器の台湾向け売却計画を議会に非公式に通知した。事情に詳しい5人の関係者が12日明らかにした。
この3種類は、ロッキード・マーティン製のトラック型ロケットランチャー「HIMARS」、ボーイング製の空対地巡航ミサイル「SLAM-ER」、F16戦闘機用のリアルタイムで画像やデータを地上に転送できる機外携行型センサーポッド。
関係者の話では、いずれも国務省が売却を承認したと上院外交委員会および下院外交委員会の指導部に知らせた。米議会では、中国の台湾侵攻を警戒して台湾を支援するムードが広がっており、売却に反対しない見通しだ。
ロイターの取材に対して在米中国大使館は電子メールで「中国は常に、断固として米国が台湾に兵器を売却することに異を唱え、自らの主権と安全保障を守る強い決意を持っている」とコメントした。
また「米中関係や中台間の平和と安定が著しく損なわれない」よう、米政府は台湾への武器売却をやめ、軍事的な関係を停止すべきだと表明した。
中国外務省の趙立堅報道官は13日、北京での定例記者会見で中国は「必要かつ合理的な」対応を取ると述べ、米国は直ちに台湾向けの全ての武器売却をやめるよう求めた。
ワシントンにある台湾の出先機関は、コメントはないとした。台湾国防部(国防省)はコメントを控えた。
台湾外交部(外務省)の歐江安報道官は新たな武器売却について政府は正式な通知を受けていないと説明。その上で「中国は軍事的な挑発行為を続け(台湾)海峡と地域の安定を損なっており、台湾が自衛能力を強化することの重要性が高まっている」との見解を示した。
米政府高官は先週、台湾に対し防衛費を増やし軍事改革を行うことで、中国に台湾進攻のリスクを明確に認識させるべきとの指摘した。
米国務省報道官は「武器売却計画については、議会に正式に通知されるまでコメントしないのが米政府の方針だ」と述べた。
上院外交委員会と下院外交委員会は、国務省が武器売却計画を議会に正式通知する前に、非公式の検証を行う権利がある。
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