[クアラルンプール 13日 ロイター] - マレーシアを訪問中の中国の王毅外相は13日、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は南シナ海などで緊張をかき立てる米国の戦略に「警戒」を怠らないようにすべきとの認識を示した。
王毅外相はマレーシアのヒシャムディン外相との共同記者会見で、「外部からの障害」を排除するため協調すべきとし「我々(中国とマレーシア)は、南シナ海は艦隊を用いた大国のレスリング場ではないとの認識を共有している。中国とASEANは、南シナ海の平和と安定を維持するに十分な責任感と知性を持ち合わせている」と述べた。
一方、マレーシアのヒシャムディン外相は共同記者会見で、南シナ海の領有権問題は域内対話を通じて平和的に解決されるべきとの認識を示した。
中国はここ数カ月間に、領有権問題の焦点である西沙諸島付近などで複数の軍事演習を実施。米国は、中国が同海域に「海洋帝国」を築こうとしているなどと批判していた。
王毅外相は米政府の「インド太平洋」戦略を東アジアの「安全保障上のリスク」と表現。「米国が画策しているのは、旧態依然とした冷戦状態を広め、異なるグループやブロック間の衝突をあおり、地政学的な争いをかき立てることだ。ASEAN加盟国はこの点を全て明確に認識し、警戒を怠らないと信じている」とした。