[ワシントン 27日 ロイター] - テキサス州最高裁は27日、同州のアボット知事(共和党)が郵便投票の回収場所を州内各郡につき1カ所に制限した決定は法的に有効との判断を示した。11月3日の大統領選が目前に迫る中、トランプ大統領にとって政治的勝利となった。
フロリダ大学の「米選挙プロジェクト」によると、27日までに同州で期日前投票を済ませた有権者は800万人近くに上り、2016年の前回選挙の全投票者数の9割に迫った。同割合は他のどの州よりも高いという。
テキサス州は年齢が65歳以上または疾患か障害がある有権者、あるいは投票日または期日前投票の期間に投票する郡にいない場合に限って郵便投票を認めている。
州最高裁は判決文で「原告は、郵便投票を期日前に直接投函(とうかん)する場所を各郡1カ所に限定すれば、一部の有権者は長い時間かけて移動する必要が生じると主張するが、これは投票手段の他の選択肢を無視している」との判断を示した。決定を下した3人の判事は全員共和党員。
テキサス州民主党のギルベルト・ヒノホサ代表は「テキサス州最高裁は引き続き、共和党の政治権力を盤石にするために法を曲げている」と批判した。
米大統領選の民主党候補は同州で40年あまりにわたり敗北を喫しており、共和党候補のトランプ氏は16年の前回選挙で得票率で9%ポイントの差をつけて勝利した。
ただ、トランプ大統領の新型コロナウイルス対応に不満が募る中、世論調査によると、今年の選挙ではトランプ氏と民主党のバイデン候補の接戦となる可能性がある。
アボット知事は10月1日に郵便投票の回収場所を制限する命令を出した。[nL4N2GT0RK]
州の控訴裁は23日、回収場所の数を制限すれば有権者のコロナ感染リスクが高まるとともに、投票権を侵害することになるとし、無効との判断を示していたが、州最高裁によって覆された。