[ニース/パリ 29日 ロイター] - フランス警察によると、南部の都市ニースで29日、刃物を持った男が教会を襲撃し、3人が死亡、うち女性1人は首を切断された。マクロン大統領はテロ攻撃だと非難した。
警察関係者によると、現地時間午前9時ごろ、刃物を持った男が市内にあるノートルダム教会に侵入し、居合わせた管理人の喉を切りつけたほか、年配の女性の首をはね、さらにもう1人の女性に重傷を負わせた。
エストロジ市長は記者団に対し、管理人と年配の女性はその場で死亡し、もう1人の女性も近くのカフェに逃れた後、息を引き取ったと明らかにした。また犯人は警官によって狙撃され、身柄を拘束された後、病院に搬送されたが、生存しているとした。男は拘束後も「アラーアクバル(神は偉大なり)」と叫び続けていたという。
ある警察関係者は、ロイターに対し、容疑者がチュニジア国籍の21歳の男で、最近イタリアからフランスに入国したと話した。
こうした中、チュニジアのテロ対策当局は「チュニジア人が海外でテロ活動を行った疑い」について調査を開始したと発表した。
マクロン大統領は、フランスがイスラム主義者のテロ攻撃を受けたと非難した上で、礼拝所や学校など重要施設を警護するため数千人の兵士を増員すると表明。「フランスは、自らの価値観や自由への志向、信仰の自由に対して攻撃を受けた。われわれは自らの立場を一歩も譲るつもりはないと改めて明言する」と述べた。
29日はイスラム教の預言者ムハンマドの誕生日に当たり、同教の祝日だった。カステックス首相は、国内のテロ警戒水準を最高に引き上げた。
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