[香港 30日 ロイター] - 香港当局が発表した第3・四半期の域内総生産(GDP)速報値は、前年同期比で3.4%減少し、5四半期連続のマイナスとなった。ただし、9.0%減だった第2・四半期と比べるとマイナス幅が縮小した。
内需が徐々に回復したほか、中国本土経済の持ち直しに伴い外需にも改善が見られた。新型コロナウイルスの感染状況が落ち着きつつあることや、金融市場の取引活発化なども経済の下支え要因となった。
新型コロナの影響で香港経済は年前半は低迷したが、コロナの感染拡大を抑制するための行動制限が段階的に緩和され、人々が職場や店舗に戻ったことから、経済活動は顕著に回復している。
香港当局の報道官は声明文で「先行きについては、(中国)本土経済のしっかりとした回復が続き、香港の輸出を向こう数カ月間、支援することだろう」と指摘した。
オックスフォード・エコノミクスの主任エコノミスト、トミー・ウー氏は調査リポートで「コロナ感染の深刻な波が再び訪れない限り、第4・四半期の経済は大幅な戻りが期待される」とし、GDP成長率は来年5%程度まで回復するとの見通しを示した。
第3・四半期の香港のGDPは、前期比(季節調整済み)では3%増加した。第2・四半期は0.1%減だった。