[エルサレム 8日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は8日、米大統領選で勝利した民主党のバイデン前副大統領は「偉大な友人」と述べて祝意を表明した。ただ、バイデン氏はトランプ大統領のイランやパレスチナに対する強硬政策と一線を画すとみられ、米とイスラエルの同盟関係への影響が注目される。
ネタニヤフ氏はツイッターでバイデン氏に「われわれは約40年の長きにわたり温かい人間関係を築いてきた。あなたはイスラエルの偉大な友人だと認識している」と述べ、副大統領当選が確実になったハリス上院議員とともに「あなた方と協力し、米・イスラエルの特別な同盟をさらに強化することを心待ちにしている」と表明した。
ネタニヤフ氏のツイッターアカウントには盟友関係にあったトランプ大統領と撮影した写真がヘッダー画像に使われている。
バイデン氏は、トランプ政権が離脱した2015年のイラン核合意への復帰を公約しており、イスラエルによるパレスチナ占領地への入植にも反対する公算が大きい。
ネタニヤフ氏はその直後の投稿でトランプ氏に謝意を表明。「イスラエルと私個人に示してくれた友情」を挙げたほか、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、ゴラン高原に主権を認め、イランと対峙し、アラブ諸国との国交正常化を実現させ、米イスラエル同盟を「空前の高みに引き上げた」と称賛した。
ネタニヤフ氏の祝意表明が遅れた理由を報道官に問い合わせたが、回答はない。
トランプ氏の前任のオバマ氏の時代は対イスラエル関係が険悪化した。これが民主党内でオバマ氏への反発を生み、イスラエルへの議会超党派の支持が損なわれたとの指摘が一部である。
8日のイスラエル株式市場ばバイデン氏の勝利に好反応を示した。