[ドバイ 8日 ロイター] - 米大統領選で民主党バイデン前副大統領が当選を確実にしたことに対し、イランのロウハニ大統領は8日、次期米政権はトランプ大統領の過ちの埋め合わせをすべきだとの考えを示した。イラン国営テレビが報じた。
米国とイランの間では、2018年にトランプ大統領がイラン核合意から離脱し、経済制裁を復活して以降、対立が深まった。
イラン国営テレビによると、ロウハニ大統領は「打撃をもたらすトランプ氏の政策に米国民が反対した。米国の次期政権はこの機会を使って過去の過ちを埋め合わせるべきだ」と述べた。その上で「イランは世界との建設的なやり取りを望む」とした。
イラン核合意はバイデン氏が副大統領を務めていた2015年に結ばれた。バイデン氏は、イラン政府が履行を再開することを条件に復帰する考えを示している。
イランはトランプ氏の措置に伴い核合意の履行を縮小してきたが、同国の指導者らは、イランの利益が尊重されれば履行の拡大が可能だとしている。
ロウハニ氏は「イラン国民の勇敢な抵抗によって、最大限の圧力をかける政策が失敗する運命にあることが証明された」と主張した。
イランのザリフ外相もツイッターに「(米国の)新指導者らが現政権の無法ないじめをやめ、多国間主義と協調、法の尊重を受け入れるかどうか世界が注視している。行動が肝心だ」と投稿した。