[ブリュッセル/ロンドン 16日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱移行期間の期限が12月末に迫る中、EU外交筋は16日、英・EU貿易交渉の妥結に向けた時間がなくなりつつあると英国に警告した。
EUのバルニエ首席交渉官と英国のフロスト首席交渉官の協議がブリュッセルで再開される中、EU当局者は「(協議は)かなり遅れている。すでに手遅れかもしれない」と述べた。
別のEU外交筋も「彼らが望んでいた状況に到達していない」と話した。
ジョンソン英首相の報道官は16日、今後数日に協議を進展させるには、EUがより現実的な姿勢を示す必要があると主張した。
英国の離脱による影響を最も受けるEU加盟国のアイルランドのコーブニー外相は合意に達するまでにはさらに2週間かかる可能性があるとの認識を示した。
同相は「われわれは合意できないよりも、合意に達する可能性が高い。英国とアイルランドや他の一部のEU加盟国にとって、合意できない場合の影響が大きいからだ」と述べた。
協議は、争点となっている公正な競争に関する規則や漁業権などの問題で膠着が続いている。
英国のフロスト首席交渉官は15日、 「われわれは大部分について共通の合意文書案があるが、重要な要素に関する合意はまだない」と指摘。「この文書を土台に可能ならば全体的な合意を結びたい。ただ、成果は出ないかもしれない」と語った。