[ワシントン 2日 ロイター] - オバマ前米政権で東アジア・太平洋担当国務次官補を務めたカート・キャンベル氏は2日、対北朝鮮政策についてバイデン次期政権はオバマ政権時代のような遅れを繰り返さず、早期に決定する必要があるとの見解を示した。
キャンベル氏は次期政権で高官ポストの候補とみられている。
同氏は、オバマ前政権は北朝鮮への対応について「かなり長期にわたる調査」から着手したと指摘。この間に北朝鮮は「挑発的」な行動を取り、「基本的に関与する可能性が排除された」とし、「バイデン政権は北朝鮮に関する対応を早期に決定する必要性が主な課題の1つになる」とした。
また、北朝鮮の非核化には至っていないものの、米朝首脳会談の実現につながったトランプ大統領の「非常に大胆」な対北朝鮮政策を評価。「特にアジアに関して米国はある程度大胆な外交政策を打ち出すことが適切だと考える」と述べた。その上で、韓国との緊密な協力が必要だと強調した。
キャンベル氏は「北朝鮮に対して早期にシグナルを送ることがバイデン氏のチームにとって政権発足後の優先課題の1つになるだろう」と述べた。
同氏はまた、中国が最近、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に署名したことや環太平洋連携協定(TPP11)への参加に意欲を表明したことついて、米国に警鐘を鳴らす動きととらえるべきだとの見解を示した。
RCEPは想定よりも広範囲に及んだほか、中国のTPP参加への関心は「非常に大きな問題だ」と指摘。「われわれは対応について検討する必要があるだろう」と語った。
その上で、バイデン次期政権の初期にこうした多国間の枠組みに米国が参加する可能性はない見込みだとした。