[マドリード 9日 ロイター] - 一連のスキャンダルにより8月に出国したスペインの前国王フアン・カルロス1世が、滞納していた税金67万8000ユーロ(約8540万円)を、金利・罰金含め支払った。
複数の担当弁護士が9日、声明で明らかにしたが、何の税金だったかなどの詳細には触れなかった。
これより先、エル・パイス紙は、前国王は起訴を回避し帰国を可能にするため、不正なクレジットカード取引問題について税務当局との合意を模索していると報じた。
弁護士らは、「いずれにせよ、前国王はこれまで同様、税務当局が必要と判断するいかなる手続きにも協力する」とした。
前国王に対しては、サウジアラビアでの高速鉄道建設契約を巡る汚職など複数の不正で捜査が行われている。出国後はサウジアラビアに滞在。また2014年に長男の現国王フェリペ6世に王位を譲っている。
汚職疑惑については、弁護士らを通じて繰り返しコメントを控えている。
在位中のスペイン国王には免責特権があるが、前国王は現在王位にないことから捜査対象となり得る。