[ニューヨーク 11日 ロイター] - 独医薬品ベンチャー、ビオンテックのウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)はこのほどロイターのインタビューに応じ、同社と米製薬大手ファイザーが開発した新型コロナウイルスワクチンが米当局の緊急使用許可を得た今、膨大な需要に見合う量産化を進めることが最大の課題だとの見方を示した。
サヒン氏は「われわれは製造面の課題を解決する必要がある。より多くのワクチンが求められているのは明らかで、どうすれば生産を増やせるかという問題に取り組んでいるところだ」と語った。
ワクチン供給拡大を図る方法の1つとして同氏は、ビオンテックがスイス製薬大手ノバルティスから買収した独マールブルクの製造拠点における生産予定を前倒しすることだと説明した。ビオンテックは来年前半にこの拠点でワクチン生産を開始すると表明しているが、同氏によると現在はより早めのスケジュールで準備作業を続けているという。
ファイザーとビオンテックが開発したワクチンは、基本的に1人2回の接種で有効となる。ただ両社が公表したデータでは、1回目の接種から12日程度である程度の効果が確認され、2回目を受ける前から免疫を得られることが示された。
これについてサヒン氏は、1回の接種で済ませる方式にするかどうかはまだ決めていないとした上で、今後ファイザーと話し合っていく問題なのは間違いないと付け加えた。
一方同氏は、ワクチンが欧州連合(EU)当局からも年内に条件付きで使用が承認され、来年早々に欧州各国に配布できるとの見通しを明らかにした。