[チューリヒ 8日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は8日、2020年の利益が210億スイスフラン(237億2000万ドル)になったもようだと発表した。株高や金の価値上昇などが寄与した。
保有外貨からの利益は130億フラン。保有する1040トンの金の価値は70億フラン増加した。
スイス中銀は昨年、外貨買い入れを増やした。米国からは「為替操作国」に指定されている。
20年のフラン建ての利益は、ドル安の影響で19年の489億フランを大きく下回った。
政府と各州への利益分配は前年と同じく40億フラン。株主への配当は法定上限の1株=15フラン。
UBSのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は「他の投資家と同様、スイス中銀は、各国中銀の新型コロナウイルス危機対応がもたらした低金利環境、株高の恩恵を受けた。ただ他国の低金利でスイスフランには上昇圧力がかかり続け、中銀のマイナス金利調整能力がそがれた」と述べた。