[北京 15日 ロイター] - 中国の地方自治体や工場の間で、2月の春節休暇中に帰省しないよう住人や従業員に促す動きが広がっている。新型コロナウイルスの感染が拡大して都市封鎖(ロックダウン)が実施されれば、休暇明けに仕事に復帰できず工場などが再稼働しない恐れがある。
中国では春節を迎えるこの時期、地方からの出稼ぎ労働者2億8000万人や、転勤などで家族と離れて暮らすホワイトカラー労働者数百万人が帰省する。
新型コロナが急拡大した昨年は、多くの労働者が帰省したまま何カ月も足止めされた。ようやく都市部に戻っても長期間隔離され、工場が機能不全に陥った、鉱工業生産は激減、労働者は何週間分もの収入を失った。
企業は通常、春節中に働く従業員への手当を増額するなどしているが、今年は自治体も一緒になって休日労働手当の利用を促している。大半の省が労働者に帰省しないよう呼び掛け、コロナの感染拡大防止を図るとともに、生産活動とサプライチェーン(供給網)の安定化を図ることの重要性を訴えている。
手当には支給額の上乗せ、賞の授与、休暇の取得時期をずらす調整などが含まれる。