[ソウル 20日 ロイター] - 韓国の文在寅大統領は20日、康京和外相を交代させ、後任に鄭義溶・前国家安保室長(74)を充てる人事を発表した。
米国のバイデン次期政権発足に合わせ、停滞している北朝鮮の非核化交渉を再開させる狙いがあるとみられる。
鄭氏は文政権下で米朝の仲介役を果たし、2018年には訪問先の米ホワイトハウスで初の米朝首脳会談の開催を発表した。
ただ、物別れに終わった2019年の2回目の米朝首脳会談については、合意成立の可能性を巡って誤った見通しを示したとの批判も受けた。
文大統領は18日、バイデン次期大統領に対し、トランプ大統領と金正恩北朝鮮総書記の対話の道をさらに進めるべきだと呼び掛けた。
大統領府の当局者は記者団に「(外相の交代により)バイデン政権の発足に合わせて、外交官に新たな息吹を吹き込み、外交体制を再編できる」と説明した。
野党は鄭氏の起用に反発。文大統領が新たなアプローチに消極的で、米朝の仲介で同じ過ちを繰り返しかねないと主張している。
鄭氏は通商問題の専門家。昨年7月まで3年間にわたって国家安保室長を務めた。