[ワシントン 23日 ロイター] - バイデン米政権は25日からの週に気候変動問題への取り組みに必要な政策をさらに打ち出す方針だ。また、中国に対しても、温室効果ガスの排出削減目標を強化するよう求めている。米政権の気候変動対策顧問らが23日、明らかにした。
ホワイトハウスで環境政策の調整役を担う責任者であるジーナ・マッカーシー氏は、具体的にどのような政策が発表されるかには言及しなかった。
ロイターが21日に入手したメモによると、バイデン氏は早ければ27日にも新たな大統領令を発表する見通しで、「国内における気候変動問題への対処と、気候変動問題を国家安全保障上の優先課題とする一連の規制上の行動」を開始するという包括的な内容になるとみられる。
バイデン氏は大統領就任初日の20日、環境対策を後退させるトランプ前政権の政策の転換に着手し、15の大統領令に署名。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」への復帰を表明したほか、カナダから米中西部まで原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン」の建設認可を取り消した。
マッカーシー氏は、全米市長会議のオンライン会合で「われわれが支持せず、縮小するつもりの政策については既にシグナルを送った。今週は将来のビジョンに取り組む」と述べた。
また、バイデン政権のジョン・ケリー気候変動問題担当大統領特使は、世界最大の温暖化ガス排出国である中国が最近表明した削減目標は「十分ではない」と指摘。バイデン政権は気候変動問題への取り組みを一段と強化するよう、各国に外交的圧力を掛け始めたと明らかにした。
中国の習近平国家主席は昨年9月、大方の国が目標に掲げる2050年よりも10年遅い2060年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする方針を表明した。
ケリー氏はまた、世界第2位の排出国である米国についても、2050年までに排出量を実質ゼロにする目標よりも優れた結果を出す必要があるとの認識を示し、大気中の二酸化炭素を直接回収するといった新たな技術を駆使するなどして取り組む可能性に言及した。