[モスクワ 25日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は25日、週末に国内各地で実施された反体制派指導者ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議集会について、危険で違法な行為だったと非難し、違法行為への参加を回避するよう呼び掛けた。一方、ナワリヌイ氏の支持者は31日にも抗議集会の実施すると表明している。
ロシアでは23日に抗議運動が全土で行われ、治安当局によりナワリヌイ氏の妻を含め、3700人以上が拘束された。
プーチン大統領はこの日、学生らに対し、ナワリヌイ氏の名前は出さずに、政治的な関心を追求する手段として違法行為を利用してはならないとし、「誰もが法律の枠組みの中で自分の見解を表明する権利を持っている。法律の枠組みを超えたいかなる行為も非生産的で、危険だ」と指摘。1917年のロシア革命と1991年のソ連崩壊を例に挙げ、違法行為が悲惨な結果をもたらすとして回避を呼び掛けた。
ただナワリヌイ氏の側近、レオニード・ボルコフ氏は31日にナワリヌイ氏の釈放を求める抗議集会を再度開くと表明。政府と反体制派の攻防が続く恐れがある。
ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議集会を巡り、米ロ間の緊張も高まっており、ロシア外務省はこの日、ジョン・サリバン駐ロシア米大使に対し米国の内政干渉に抗議したと明らかにした。