[ソウル 26日 ロイター] - 韓国中銀が26日発表した2020年第4・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済みで前期比1.1%増加した。内需低迷を堅調な輸出が補い、2四半期連続でプラス成長となった。
輸出の堅調で2021年の韓国経済は、回復の勢いが増すと見込まれている。
ロイターがまとめた第4・四半期のGDPのエコノミスト予想は前期比0.7%増だった。第3・四半期は前期比2.1%増だった。
第4・四半期GDPは、前年比では1.4%縮小。予想(1.7%縮小)よりも小幅な落ち込みになった。
輸出は前期比5.2%増加。一方、民間消費は1.7%減だった。建設投資は前期比6.5%増加し、2019年第4・四半期以来の大幅な伸びとなった。
2020年通年の成長率はマイナス1.0%と1998年以降で最悪となった。ただ、中銀予想(マイナス1.1%)は上回った。
韓国経済は、新型コロナウイルスの影響で第2・四半期に景気後退(リセッション)入りしたが、その後は急速に回復している。ただ、分野別にみると回復はまだら模様になっている。
昨年12月の輸出は前年比12.6%増加し、2年2カ月ぶりの大幅な伸びを記録した。
サムスン電子の株価は第4・四半期に約50%上昇した。同社は8日、第4・四半期の営業利益が前年比26%増加するとの見通しを示した。
一方、12月の雇用者数は約20年ぶりの大幅な落ち込みとなり、新型コロナの感染第3波が広がる中、回復基調が依然ぜい弱なことが示された。
オックスフォード・エコノミクスのエコノミスト、ロイド・チャン氏は「世界経済の成長や次世代通信規格(5G)の普及が加速する中、堅調な輸出見通しに支えられ、第2・四半期以降回復の勢いは加速する」と指摘し、「2月頃にワクチン接種が始れば、厳しい封じ込め対策の必要性は低下し、内需が刺激される」との見方を示した。
ロイターがエコノミスト27人を対象に実施した直近調査によると、今年の韓国経済の成長率は3.0%と見込まれている。これは、韓国中銀の見通しと一致する。
韓国政府は昨年1年間で約310兆ウォン(2814億ドル)の財政出動を表明し、中銀も政策金利を75ベーシスポイント(bp)引き下げ0.5%にした。アナリストの大半は中銀が今年も緩和的な政策スタンスを維持すると予想している。
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