[東京 27日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は27日午後の会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種に関し、接種の有無で不利益な扱いを受けることは適切でないとの見解を示した。
加藤官房長官は接種しない場合に何らかの制限が課されることがあるのかとの質問に対し、政府としてワクチン接種の安全性や有効性に関する情報を国民に提供し、接種の有無は国民ひとりひとりが判断することになると説明。その上で「接種の有無で不利益な扱いを受けることは適切でない」と述べた。
一方、英国などで発生した新型コロナウイルスの変異株が、日本国内で広がっているかどうかについて加藤官房長官は、国立感染症研究所のゲノム解析では「面的な広がりは確認されていない」とした。ただ、同研究所のゲノム解析の件数は、確認された陽性者の5%程度にとどまっているという。
他方、同研究所は変異株のウイルスに感染したかどうかを確認できる新たなPCR検査を開発したと指摘。すでに検査を実施している東京都や大阪府のほか静岡県などでも新PCR検査ができるように準備を進めているとした。
ワクチンの接種記録に関連し、市町村が管理する既存の「予防接種台帳」方式では、リアルタイムで管理できない欠点があるため、2回のワクチン接種の間に転居した場合、正確な接種記録が管理できないリスクが存在する。加藤官房長官は、既存のシステムに悪影響が出ないかたちで「新たなシステム導入へ整備を行う」と述べた。ただ、具体的な内容には言及しなかった。
また、日米間よりも先に米ロ間で電話による首脳会談が実現したことに関しては「コメントする立場にない」とし「可能な限り早いタイミングで実施できるように両国間で調整している」と語った。
(田巻一彦)