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インド21/22年度予算案、医療費倍増 保険への外資投資規制緩和

発行済 2021-02-01 18:48
更新済 2021-02-01 18:54

[ニューデリー 1日 ロイター] - インドのシタラマン財務相は1日、2021/22年度(2021年4月─22年3月)予算案を議会に提出した。新型コロナウイルス禍を背景に医療関連支出を倍増する。保険業界への外資の投資規制を緩和し、経済回復の一助とする。

21/22年の財政赤字は国内総生産(GDP)比6.8%となる見通し。ロイターが集計したエコノミスト予想の5.5%を上回る。今20/21年度(2020年4月─21年3月)の財政赤字はGDP比9.5%と従来見込みの7%から大幅に上回る見通しを示した。

インドの医療関連財政支出はGDP比約1%と、主要国の中で極めて低い。

シタラマン財務相は、公衆衛生システムの改善と大規模なワクチン接種計画に向け、医療関連支出を2兆2000億ルピー(302億ドル)に増額すると表明した。

昨年のロックダウン(都市封鎖)で雇用は悪化、経済は大打撃を受けた。政府は今年度の成長率は7.7%のマイナスとなるものの、21/22年度は11%のプラス成長を見込む。中国の予想成長率(8.1%)を上回る成長となるが、政府はコロナ前の水準に経済が戻るには2年かかるとみている。

自動車など手掛ける複合企業マヒンドラ・グループのアーナンド・マヒンドラ会長は「過去に例のない経済ストレスを抱えた状況にあり、政府には、景気を復活させられるだけの支出をする責任がある」と指摘。予算案について、対象を絞った財政赤字という意味で非常にリベラルな内容を期待していたが、その通りになったと述べた。

シタラマン財務相は保険業への外国からの直接投資(FDI)の上限を現在の49%から74%に引き上げると表明。

不良債権問題を抱える国営銀行の立て直しに2000億ルピー(27億4000万ドル)を振り向ける方針を示した。

アナンド・ラティ証券のチーフエコノミスト、スジャン・ハジュラ氏は「政府は財政規律よりも成長促進を重視しているようだ。これは歓迎できる動きだ。また、ビジネス環境に関する施策も多く見られる。改革の意思も強い」と評価した。

財政赤字を一部穴埋めするため、IDBI銀行などの国営企業の株式を売却して1兆7500億ルピー調達する計画。今年度はコロナ禍の影響で売却が進まず1800億ルピーしか調達できていない。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210201T094727+0000

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