[ワシントン 6日 ロイター] - 米政府は、イエメンの人道危機に対応するため、同国のイスラム教シーア派武装組織「フーシ派」に対するテロリスト指定を解除する意向だ。国務省当局者が5日確認した。
トランプ前政権は政権交代の前日となる1月19日付でフーシ派を海外のテロリスト組織に指定。国際社会は和平協議や人道支援活動に悪影響を及ぼす可能性があるとしてこの決定を批判していた。
国務省当局者は前政権の決定について「国連や人道支援団体が世界で最悪の人道危機をさらに悪化させると明言していた」とし、指定解除の理由を「前政権の決定がもたらす人道上の結果を考慮した」と説明。指定解除は、フーシ派やメンバーの「非難に値する行為」に対する米政府の見解を示すものではないと強調した。
フーシ派の当局者は6日、アルマヤディーンテレビに対し、バイデン政権のイエメンに関する最近の発表を聞いているが、まだ何も起きていないと語った。
国連の報道官は「米政権の指定解除の意向を歓迎する」と述べた。
国連によると、イエメンは国民の8割が支援を必要とする状況にあり、世界で最悪の人道危機に直面している。国連の支援担当者は先月、新たな制裁により、イエメンは約40年ぶりとなる大規模な飢餓に陥る恐れがあると警告していた。
バイデン大統領は4日の外交演説で、イエメン内戦でサウジアラビアが主導する連合軍に対する軍事支援を停止すると発表した。
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