[ソウル 17日 ロイター] - 韓国の丁世均首相は17日、新型コロナウイルスの1日当たり感染者が約40日ぶり高水準になったことを受け、社会的距離(ソーシャルディスタンス)規制の順守を改めて要請した。
政府は13日、昨年12月末に1日当たり感染者が1200人前後に達した感染第3波を乗り切ったとして、15日から社会的距離規制を緩和すると発表。夜間娯楽施設の規制が解除されたほか、飲食店の閉店時間が1時間繰り下げられて午後10時となった。しかし感染者数は3日間で急増し、16日には39日ぶりの高水準となる600人超を記録した。
丁首相は、テレビで放送された会議で、ナイトクラブが午前5時でも営業していたり、外出禁止時間になった後もホテルで宴会が開かれているといった例を挙げて、緩みが見られると指摘。「規制緩和は中小企業経営者支援のためであって、ウイルス対策の手綱を緩めるためではない」と述べた。
「感染第3波は終わっておらず、専門家からは3月か4月に第4波が襲来するという警告も出ている。いまは警戒を緩める時期ではない」と警鐘を鳴らした。
韓国疾病予防管理庁(KDCA)によると、16日深夜までに確認された感染者は621人と、ここ数日の300─400人から増加。先週の旧正月休暇明けで検査数が増えたことが一因とみられている。
休暇中には親類訪問や観光で数百万人が国内を移動しており、当局はクラスター(感染者集団)が増える可能性があると警戒を強めている。
韓国の累計感染者数は8万4946人、死者は1538人。