[台北 24日 ロイター] - 台湾の半導体メーカーが給水車の手配を進めている。台湾では少雨に加え、夏季に台風が到来しなったことを受けて、中部・南部のダムで貯水率が20%を下回っており、当局が給水制限を強化している。
台湾の半導体メーカーに対しては、車載半導体不足への対応を求める声が相次いでいるが、水不足が続けば、半導体の供給に悪影響が出る恐れもある。
大型サイエンスパークがある中部・南部の都市では、25日から工場に対する給水制限が強化される。
台湾の王美花経済部長(経済相)は23日、記者団に「最悪のケースに備えている。企業が水の利用を7-11%減らすことを期待している」と発言。
少雨は今後数カ月続くと予想されており、水道事業を運営する台湾自来水は今週、「最も厳しい局面」に入ったとの認識を示した。
半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は今週、域内の一部の自社施設に水を供給するため、給水車による少量の水の供給を手配した。
同社はロイターに「将来の水の需要に備えて準備を進めている」とし、現時点で生産への影響は出ていないと述べた。
バンガード・インターナショナル・セミコンダクターと聯華電子(UMC)も給水車を手配したが、生産に影響は出ていないという。
台湾のハイテク企業は、以前から慢性的な水不足に悩まされてきたが、米中貿易戦争で域内の生産が拡大したことを受けて、水不足が一段と深刻な問題になっている。