[ワシントン 1日 ロイター] - 米国務省のプライス報道官は1日、サウジアラビアとの関係について、同国の「今後の行動」を重視する方針を示し、人権問題の改善に期待すると表明した。
米国の情報機関を統括する国家情報長官室は先月26日、2018年に起きたサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件について、サウジのムハンマド皇太子がカショギ氏の「拘束もしくは殺害する作戦を承認した」とする報告書を公表。複数のサウジ人に制裁を科したが、皇太子への制裁措置は見送った。
これを受け、人権擁護団体などから批判の声が上がっており、説明責任や、外交政策で人権問題を優先課題にするというバイデン米政権の公約に疑問が生じている。
プライス報道官は、記者会見で「われわれは今後の行動を非常に重視している。それがこの件を(米・サウジ関係の)決裂ではなく、再調整と位置付けている理由の一つだ」と述べた。
また「われわれはカショギ氏の残忍な殺害の背景にある組織的な問題に迫ろうとしている」と語った。
国家情報長官室は26日、サウジ警備隊のラピッド・インターベンション・フォース(RIF)がカショギ氏殺害に関与したとし、RIFに対する制裁を発動。サウジ国籍76人へのビザ(査証)制限も発表した。
プライス報道官はこの76人について、詳細は明かせないとし、ムハンマド皇太子が含まれるかどうかにも言及しなかった。
米国はRIFの解散をサウジに要請しているという。