[アムステルダム 6日 ロイター] - オランダ紙フォルクスクラントが複数の捜査関係筋の話として報じたところによると、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)が昨年標的にされたサイバー攻撃にロシアと中国の情報機関が関与した。
EMAは昨年12月、新型コロナウイルスワクチンや医薬品に関する文書が盗まれ、インターネット上に流出する被害にあったと発表した。欧州の司法当局などが捜査していたが、これまで攻撃の実行者について具体的なことは明らかになっていなかった。
EMAが中国のスパイの標的にされたのは昨年上半期で、その後ロシアの情報機関にも狙われた、と同紙は報じている。
同氏によると、中国はドイツの大学システムへのハッキングを通じてアクセスし、ロシアはEMAの2段階認証のログインシステムの脆弱性をついたという。
EMAの広報担当者は「司法当局などの捜査が続いており、EMAも全面的に協力している」と応答したが、それ以上のコメントは控えた。
ロシアと中国の外務省はコメントの要求に応じていない。これまで両国ともサイバー攻撃への関与を否定している。