[サンパウロ/リオデジャネイロ 8日 ロイター] - ブラジル政府は8日、米ファイザーに対して新型コロナウイルスワクチンの出荷を前倒しするよう求めた。インドからの供給が止まった英アストラゼネカ製のワクチンについても、他の国から確保することを目指している。第2波の感染が深刻な状況に陥っており、早急にワクチン接種を広げることが必要なためだ。
これまで新型コロナウイルスを軽視し、ワクチン確保を急ぐことに疑問を投げ掛けてきたボルソナロ大統領も、ファイザー幹部との個人的なテレビ電話を通じて迅速な出荷を要請するほどで、事態の緊迫度がうかがわれる。
一方同国保健相によると、インドはブラジル向けのアストラゼネカ製ワクチン800万回分の出荷を止めている。これを受け政府は、別の国を通じて同ワクチンをより多く集める方法も模索しているという。
ブラジルでは変異ウイルスの発生も加わって感染者が急増。政府はアストラゼネカのワクチンが中国のシノバック・バイオテック(科興控股生物技術)のワクチンとともに、感染抑制の切り札になると期待をかけている。