[ブラジリア 12日 ロイター] - ブラジルの検察当局は12日、収賄罪に問われたルラ元大統領への有罪判決を破棄した最高裁判所の判断に異議を申し立てた。上訴が認められれば、ルラ氏が来年の大統領選に出馬する道は再び閉ざされる。
最高裁のエジソン・ファチン判事は8日、有罪判決を下した南部クリチバの裁判所がルラ氏の汚職容疑を審理する権限を欠いていたとし、首都ブラジリアの連邦裁での再審が必要と指摘した。
検察は8日時点で既に、上訴する意向を示していた。「手続き上の安定性と法律上の確実性」を確保するために有罪判決は支持されるべきだと主張していた。
最高裁の判断を受けて、来年の大統領選で極右の現職ボルソナロ大統領と左派のルラ氏との間で有権者が二極化するとの見方が市場やメディアに広がっていた。
12日公表の2つの世論調査によると、ボルソナロ氏は依然、22年に再選を果たすのに十分な支持率を得ているが、リードは縮小した。