[ワシントン 14日 ロイター] - 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は14日、トランプ前大統領が支持者に対して新型コロナウイルスワクチンの接種を受けるよう呼び掛けることを願うと述べるととともに、感染抑制に向けた制限措置の早過ぎる解除に警鐘を鳴らした。
先週公表されたPBSニュースアワー/NPR/マリストの世論調査では、自らを共和党支持者だとする米国の男性の約半数がコロナワクチンを接種する計画はないと回答した。
ファウチ氏は、FOXニュースの番組でこの調査結果を踏まえ、トランプ氏が支持者らに接種を直接呼び掛けるべきかと問われると、「(呼び掛けは)大きな効果があるだろう。(トランプ氏は)非常に知名度が高い人物だ」と語った。
トランプ氏は先月の保守派の会合で初めて、出席者らにワクチン接種を勧めた。
また、ファウチ氏はNBCの番組で、「これほど大勢の人が政治的な理由だけでワクチン接種を望まないとは全く理解できない」と発言。ワクチン接種は「とても簡単」だとし、「数百万人の命を救うことになる」と述べ、接種を呼び掛けた。
テキサス州など一部の州でマスク着用義務などの感染対策が緩和される中、ファウチ氏はCNNの番組で、あらゆる感染防止策を急に撤回することを回避し、米国民へのワクチン接種が進めば、感染者数の急増は避けられると指摘。
「計画通りに進めば、バイデン大統領が表明したように、7月4日の独立記念日の週末までにおおむね普段の生活に戻れるだろう」とした上で、制限緩和を急ぐあまり正常化が遠のくことは望まないと述べ、当局者に制限解除を急がないようくぎを刺した。