[シドニー 17日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のケント総裁補は17日、住宅ローンの融資基準が低下し、金融の安定が損なわれるリスクが高まった場合、金融規制当局がマクロプルーデンス政策による引き締めを検討すると述べた。
ただ、現時点でそうした状況にはないと指摘した。
総裁補は講演後の質疑応答で「金融政策が資産価格をコントロールすることが可能だと思わないし、そうすべきだとも思わない」と述べ、「融資基準低下や金融リスクの高まりを背景に資産価格が上昇しているならば、金融規制協議会(CFR)にとって懸念要因で、CFRは複数の対策を検討するだろう」と述べた。
その上で「われわれは現時点でそうした状況にない」と語った。
CFRは複数の金融規制当局で構成され、マクロプルーデンス政策を担当する当局も含まれる。
オーストラリア健全性規制庁(APRA)はこれまでにも、金融安定リスクに対処するため銀行の融資基準厳格化に動いている。エコノミストは、当局が今年中にマクロプルーデンス政策による引き締め措置を再び導入すると予想している。
シティのエコノミスト、ジョシュ・ウィリアムソン氏は「中銀が住宅市場に直接焦点を当てることはない」と述べ、金融引き締め策はセクター特有の問題に対応するには不適切で、完全雇用とインフレ目標の達成という中銀の目標からそれることになると説明した。
*内容を追加します。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20210317T014823+0000