[ワシントン 29日 ロイター] - 米国の新型コロナウイルス新規感染者が増加する中、バイデン大統領は29日、州当局に行動制限の緩和を停止するよう呼び掛けた。
バイデン氏はまた、4月19日までに成人の90%を新型コロナウイルスワクチン接種の対象とすると述べた。ワクチン接種センターも増設し、自宅の8キロ圏内に接種センターがある国民の割合を90%に引き上げると表明した。
「全ての知事、市長、地方の指導者にマスク着用義務の維持や再導入を改めて呼び掛ける」と表明。「この致命的なウイルスと今なお戦っている。われわれは防御を強化しているが、まだ勝利には程遠い」とした。
各州が制限緩和を停止すべきか問われると「そうだ」と応じた。
州・地方政府の一部はマスク着用義務や他の制限を緩和しており、コロナ疲れが出る中で旅行者も増えている。早くから制限を緩和しているテキサスやフロリダなどの州では店舗内飲食の利用者が2019年の水準近くまで増えている。
米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長は、国内のコロナ感染者の累計は28日に3000万人を突破し、1日当たりの新規感染者の過去7日間の平均は6万人弱と、前週から10%増えたと明らかにした。
同氏は「悲運が差し迫っているとの印象がぬぐえない」と強調し、感染が再び悪化しているドイツやイタリア、フランスなどの状況と似ていると懸念を表明。
「手をこまねいているわけにはいかない。感染第4波を防ぐために協力する必要がある」と訴えた。