[シドニー 25日 ロイター] - 南太平洋の島しょ国サモアで、4月の議会選で敗れたトゥイラエパ首相が次期首相のフィアメ氏への権限移譲を拒否する一方、フィアメ氏の所属政党は新政権発足の式典を開催し、再び政治が混乱している。国連はトゥイラエパ氏とフィアメ氏に対話を通じた解決を促している。
最高裁は先に、議会選の結果に対する異議申し立てを却下し、24日に議会で新首相を指名するよう命令。野党党首のフィアメ氏がサモア初の女性首相に就任する予定だった。
だが、トゥイラエパ氏は24日、フィアメ氏への権限移譲を拒否し、司法の不公平性を訴えた。
国連のグテレス事務総長の報道官は25日、当事者からの要請があれば、国連は支援する用意があると表明。事務総長は、サモアの国民と国家の利益を最優先し、政治家に対話を通じた危機解決を図るよう求めているとした。
20年以上にわたり首相を務めてきた親中派のトゥイラエパ氏と異なり、フィアメ氏は中国が支援する1億ドル規模の港湾開発計画を棚上げする方針を示している。首相次第でサモアの対中関係も変わってくる。
中国は人口20万人のサモアにとって最大の債権国。中国からの借款は約1億6000万ドルで、同国対外債務の約40%を占める。