[ストックホルム 17日 ロイター] - スウェーデン政局が揺れている。来週にロベーン首相に対する不信任案が予想通り可決されれば、選挙が行われるか、暫定政権が発足することになる。首相は17日、可決された場合に辞任するか解散総選挙を行うか決めていないと述べた。
左翼党が新築アパートメントに関する家賃統制撤廃計画を巡りロベーン首相への支持をやめたことを受けて極右のスウェーデン民主党が求めた不信任案の採決は21日に予定されている。
その他野党はこれまでに、首相不信任案に賛成すると表明している。
ロベーン首相の少数与党政権は、左翼党と2つの小規模な中道右派政党からの支持に依存していた。左翼党も不信任案に賛成するとしているが、可決されれば同党にとってさらに好ましくない中道右派政権の誕生につながる可能性もある。
ただ、各世論調査では中道左派ブロックも中道右派ブロックも過半数を得られない見込みで、総選挙をいま実施しても大きな変化をもたらさない可能性がある。さらに事態を複雑にしそうなのは一部の小政党が議席獲得に必要な4%の得票に届かない恐れがあることだ。
もう一つの可能性である暫定政権も、明白な他候補がいなければロベーン氏が率いるかもしれない。
スウェーデンは依然として新型コロナウイルス流行の影響に見舞われており、総選挙への国民の意欲も限定的となる可能性もある。来年にそもそも選挙が予定されているだけになおさらだ。
ヨーテボリ大学のUlf Bjereld教授(政治学)は「誰も選挙1年前の政権危機を望んでいない」と述べた。