[アディスアベバ 7日 ロイター] - エチオピアの首都アディスアベバで、首都進軍をうかがう反政府勢力と徹底抗戦する構えのアビー政権に支持を表明する市民の集会が開かれ、数万人が参加した。
参加者の一部は、エチオピア政府に反政府勢力ティグレ人民解放戦線(TPLF)と停戦を交渉するよう呼び掛けている米国を批判。
TPLFを中心とする反政府勢力が1年前に北部ティグレ州の軍事基地を掌握して以来、武力衝突が続いており、ここ1週間の反政府勢力の進軍で激しさが増している。反政府勢力は先週、首都から325キロメートルまで迫ったとロイターに述べていた。
アビー政権は5日、国の治安を確保する責任があると表明し、国際社会にエチオピアの民主主義を支援するよう呼び掛けた。
一方、エチオピア政府が任命する人権委員会は7日、当局が2日に発出した緊急事態宣言を利用して、民族に基づき人々を拘束していると指摘した。緊急事態宣言下で政府は兵役対象の年齢に達した市民に従軍を命じられる。
警察の報道官はこれに先立ち、TPLFを直接的・間接的に支持している人々を拘束していると説明し、民族との関連を否定していた。
バイデン米政権は2日、エチオピアは人権への「重大な違反」を犯していると批判し、貿易に関する協定から同国を除外する方針を示した。
武力闘争ではこれまでに数千人が死亡し、200万人以上が住む場所を失ったほか、ティグレ州では40万人が飢餓状態に陥っている。