[国連 31日 ロイター] - ウクライナ情勢を巡る国連安全保障理事会の公開会合が31日に開かれ、ロシアによるウクライナ国境付近での軍備増強を巡り米国とロシアが互いに「挑発的」と非難の応酬を繰り広げた。
ロシアは会合前に非公開での開催を求めたが、失敗に終わった。
中国とロシアが公開会合に反対した一方、インド、ガボン、ケニアが棄権、残り10カ国は公開会合を支持した。
ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は、今回の会合は「メガホン外交」だと非難。中国の張軍・国連大使も「今はまさに静かな外交を求める時だ」として公開会合に反対した。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は会合で「ウクライナ国境における攻撃の脅威は挑発的だ。現場の事実をわれわれが認識するのは挑発的ではない」と述べ、「挑発しているのはロシア側であり、われわれや他の安保理理事国ではない」と強調した。
また、ロシアがウクライナ国境付近やベラルーシに10万人超の部隊を展開し、「ウクライナへの攻撃的行為」の態勢を整えていると非難。米政府はロシア軍が2月上旬までにベラルーシへの3万人増派を計画している証拠を入手したと主張した。
ロシアのネベンジャ大使は、同国がウクライナに対する軍事行動を計画している「証拠はない」とし、「西側は緊張緩和の必要性を語るが、何よりも彼ら自身が緊張を高め、事態の悪化を招いている」と反論。「戦争の脅威に関する議論自体が挑発だ。あなた方はそれを求めているようなものだ」と述べた。
米国はこの日の会合について、ロシアが説明を行う機会になるとしていた。
トーマスグリーンフィールド大使は会合後、記者団に対し「(説明は)さほど聞けなかった」と語り、「ロシアが引き続き外交の道を進むことを望む」とした。