[ワシントン 9日 ロイター] - 米国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル・インド太平洋調整官は9日、太平洋における違法漁業への対応を強化するための計画を近く発表するとの意向を明らかにした。中国の影響力拡大に対抗するため、この地域に対する米国の関与を深化させる動きの一環とみられる。
インド太平洋地域では、中国が巨大な漁船団を展開。周辺の複数の国々は、中国の漁船がしばしば自国の排他的経済水域を侵害し、環境破壊や経済的損失を引き起こしているなどとして不満を表明している。
キャンベル氏はワシントンの戦略国際問題研究所で開かれたフォーラムで、米国の長年の伝統的パートナーであるソロモン諸島と中国との協力関係の発展について質問されると「太平洋地域における最大の課題の一つは、実は違法漁業だ」と指摘。
「向こう数週間のうちに、さまざまな機関を通じて、海洋領域の認識を向上させることを目的とした大規模な一連の計画を発表する」と述べ、この問題への対処は不可欠との認識を示した。
バイデン大統領は5月20日から24日にかけて韓国と日本を訪問する予定。東京では日米豪印の「クアッド」首脳会合に出席する。